貼付薬剥がれたらどうする?剥がれた時の対応と、貼り方・管理を解説

看護師お役立ち情報

この記事では、貼付薬が剥がれてしまった時の対応について解説しています。

貼付薬が剥がれてしまった時、そのまま貼り直して良いか、新しいものに交換する必要があるかは薬によって違います。

正しい管理の仕方を確認していきましょう。

 

貼付薬が剥がれてしまった時の対処法

看護師が臨床でよく遭遇する貼付薬について、剥がれた時の対応をまとめました。

薬剤名 貼り直し 対応
フランドルテープ ⚪︎ 清潔なタオルなどで水分を拭き、テープのシワを伸ばし、部位を変えて再貼付する。

フランドルテープの材質には粘着力が落ちにくいという性質がある。

デュロテップMTパッチ(麻薬) × 剥がれているのに気づいた時点で、新しいものを貼付。貼り直した日から3日毎に張り替え。
ノルスパンテープ
  • 一部剥がれた場合、再度押しつけるかテープ等で固定
  • 粘着力が弱くなってきたら新しいものに貼り替え。貼り直した日から7日毎に交換。
ホクナリンテープ ×
  • 貼付から12時間以上経過 →次回の張り替え予定時間に新しいものを貼付
  • 貼付から12時間以内 →気づいた時に新しいものを貼付。次回はいつもの交換予定時間に貼り替え
ニュープロパッチ × 剥がれているのに気づいた時点で新しいものを貼付。次回はいつもの張り替え予定時間に交換。
ビソノテープ
  • 一部剥がれた場合→テープなどで固定し再貼付
  • 剥がれてしまう場合→次回の貼付時間に新しいテープを貼る
イクセロンパッチ × 剥がれているのに気づいた時点で新しいものを貼付。次回はいつもの交換時刻に貼り替え。

貼付薬は薬剤の吸収速度やテープの種類によって、貼り直しできるかの可否が変わります。

 

以下では、貼付薬が剥がれるのを予防するための正しい取り扱いについて解説しています。

貼付薬を貼る場所

上記したような全身作用型の貼付薬は、必ずしも作用部位の近くに貼る必要はありません。

(フランドルテープは左胸に貼らなければいけない!みたいな)

胸部、背部、上腕部いずれか(薬剤によっては上腹部や腰部も可)へ少しずつ部位をずらして貼付します。

患者さんの活動性や剥がれにくい場所に合わせて、貼る部位を決めると良いでしょう。

剥がれ防止!貼付薬の正しい貼り方

なんとなく貼付薬を貼ってしまっている人も多いのではないでしょうか?

ここでは添付文書に書かれている正しい貼り方について解説します。

  1. 貼付薬を貼る部位を清潔なタオルなどでよく拭く
  2. 貼付薬を外袋から取り出す
  3. フィルムを外す手順に従い、一枚ずつ剥がしながら貼付していく(薬事によってカバーフィルムの形態は異なります)
  4. テープ全体を手でまんべんなく押さえ、しっかり貼る
1と4を端折っている人が多いのではないでしょうか?
N主任
N主任

 

貼付薬のフィルム保護はしてもいい?

特にフェントステープなど貼付薬は、貼付部位全面をフィルムで覆うことは良くありません。

貼付部位の表面温度の上昇によりフェントステープの吸収速度が上がり、過量投与の危険性があります。 保護したい場合は、全面を覆うのではなく縁を補強する程度が望ましいとされています。

 

貼付薬を貼っている患者さんの入浴はどうしたら良いか?

24時間で交換タイプの貼付薬の場合、可能であれば入浴前に剥がし入浴後に貼り替えるようタイミングを合わせるのがベストです。

貼付薬は基本的にそのまま入浴しても問題ないように作られています

24時以上貼付する薬剤など、貼ったまま入浴する場合はそのままでも大丈夫ですし、気になるようであれば端をテープで固定して入浴すると良いでしょう。

ただしそのまま入浴する場合でも、入浴自体で貼付薬の貼付面の体温が上がり吸収速度が上がってしまう可能性もあるため、入浴の温度や時間が長くならないよう配慮する必要があります。