この記事では、人工呼吸器のモード設定と仕組みについて詳しく解説します。
呼吸器の設定って聞き慣れない単語がたくさんあって、慣れないと何がなんだかわからないですよね。
まず覚えるべき呼吸器のモード設定について理解していきましょう。
人工呼吸器の設定を決めるのは3つのポイントのみ
人工呼吸器を簡単に言うと、空気を送るだけの機械です。
難しいと思われる呼吸器の設定ですが、ポイントは3つだけです。
- いつ空気を送り始めるか →モード設定
- どれくらい送り続けるか →従圧式or従量式
- いつ送るのをやめるか →時間or量or流量
この記事では、「いつ空気を送り始めるか」を決めるモード設定について説明していきます。
人工呼吸器の3つのモード設定
人工呼吸器のモードとは、「いつ空気を送り始めるか」の設定です。
設定を決める要素は、時間で決めるか患者さんが呼吸しようとしたら送るかです。
A/Cモード | SIMVモード | CPAPモード | |
読み方 | アシストコントロール | エスアイエムブイ | シーパップ |
呼吸のタイプ | 強制換気 | 自発と強制 | 自発呼吸 |
吸うタイミング | 呼吸器が決める | 患者さんと呼吸器が決める | 患者さんが決める |
A/Cモードの仕組み
自発呼吸がない(弱い)患者さんに対して使われるモードです。
吸うタイミングは呼吸器が決め、設定した時間で空気を送ることで強制換気が行われます。
自発呼吸がある場合は補助換気を行います。
自発呼吸が呼吸数の設定回数より多くても、自発呼吸があれば全て補助換気を入れます。
鎮静が浅かったり、自発呼吸が多くなってくるとファイティングが起こります。
SIMVモードの仕組み
SIMVはA/CモードとCPAPモードの中間に位置する、混合型のモードです。
自発呼吸が設定された呼吸回数より少ない場合は、設定された換気回数で強制換気が行われます。
自発呼吸が設定回数より多い場合は、(PEEPやPS設定をしてあれば)自発呼吸に同期して補助換気が行われます。
自発呼吸はあるがまだ安定していない時などに使用されます。
CPAPモードの仕組み
自発呼吸がある患者さんに対して使うモードです。
吸うのは患者さんのタイミングで行い、吸気を感知したらそれに合わせて補助換気が行われます。
まとめ
人工呼吸器についてまず覚えるべきモード設定は3つのみ。
ここを理解したら、次は換気の行い方(量や圧)について勉強していきましょう。