【今更聞けない】看護師のためのCVポート管理、よくある疑問に答えます

看護師お役立ち情報

CVポートは病院や在宅医療でもよく使用される点滴方法ですが、部署によっては初めて経験するという看護師の方も多いのではないでしょうか?

この記事では、CVポートについて基本的な管理やよくある疑問について解説しています。

 

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CVポートとは

CVポート(リザーバーともいう)とは中心静脈カテーテルの一種です。中心静脈に直接カテーテルを挿入されており、皮下に埋め込まれたポートにヒューバー針を刺して、点滴を行う方法です。

主に、抗がん剤投与や高カロリー輸液などを目的として使用されます。

留置場所は鎖骨下静脈、内頸静脈、上腕静脈、大腿静脈です。

CVとCVポートの違い

どちらも使用する目的に大きな違いはありません。カテーテルの先端も心臓の手前である上大静脈または下大静脈に留置されます。

CVカテーテルは中心静脈に留置したカテーテルがそのまま体外に出ているタイプです。点滴ルートをそのまま接続します。長期間使用する場合はCVカテーテル自体の入れ替えを行う必要があります。

CVポートは、カテーテル端がポートに接続され体内に埋め込まれています。ヒューバー針でポート部を穿刺し、点滴ルートを接続します。点滴を外せば容易に入浴することもできます。

CVポートの利用目的とメリット

  • 抹消静脈からは投与できないハイカロリー輸液を行える
  • 静脈ルート確保が困難な方の点滴が容易に行える
  • 抗がん剤点滴を行える(患者さん自身で抜針できるので外来対応が可能)
  • 日常生活に支障が少ない(入浴できる、動きに制限が少ない、外から目立ちにくい)
CVポートから高カロリー輸液をしながらお出かけされる方もいますよ!
N主任
N主任

CVポートの種類

CVポートは大きく分けて3つの種類があります。違いは、カテーテル先端の仕様です。

オープンエンドタイプ

昔からあるカテーテルです。カテーテルの先端が開放されていて、逆流した血液により閉塞を招く可能性があります。そのため、ヘパリン入り生食でフラッシュやロックを行う必要があります。逆血確認や採血を行う事ができます。

逆流防止弁タイプ

カテーテルに側孔があり逆流防止弁がついています。この弁によって血液の逆流を防ぎ閉塞するリスクを下げています。しかし逆流防止弁タイプは逆血確認や採血を行うことは弁が壊れる可能性があるためできません。

グローションタイプ

カテーテルの先端に側孔があり、薬剤注入時や血液吸引時に圧がかかることで開きます。血栓による閉塞が起こりにくいカテーテルです。逆血確認や採血を行うこともできます。フラッシュやロックはヘパリン入り生食を使用する必要はなく、生食でOKです。

 

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CVポートの看護

では、実際の管理や手技について解説します。

CVポートの管理

感染を起こさないよう手技は無菌操作で行います。

穿刺針や点滴ルートの交換は1週間に1度の頻度で行います。

CVポートに使用する点滴ルートは、閉鎖式でフィルターが付いているものを使用します。フィルターを使用する目的は、異物や空気・微生物が混入することを防ぐためです。しかし、フィルターを通してはいけない薬剤もあるので注意してください。

CVポートは入っているが、現在使用していないという場合でも1ヶ月に1回はフラッシュをして閉塞予防をする必要があります。

CVポートの穿刺手技手順

右利きの方を想定して解説します。

ポート植え込み部にあたる皮膚を消毒します。

左手でしっかりポート部をつまみ固定します。右手でヒューバー針を持ち、ポート部の中心に直角になるように穿刺します。上手く穿刺ができると針がコツンと当たる感覚があります。

CVポートの観察項目

感染兆候の有無

  • 発熱
  • ポケット部周囲の皮膚の観察(発赤・熱感・腫脹)
  • 血液データ(CRP、WBC、血液培養)

カテーテルの閉塞がないか

  • 滴下に問題はないか
  • 逆血があるか

 

CVポートの在宅での管理

在宅でのCVポートを利用する目的は主に栄養補給です。

在宅でCVポートを用いて中心静脈栄養を行う場合は、カフティーポンプを使用します。点滴ルートはカフティーポンプ専用のものを使用します。

点滴交換やポンプのアラーム対応の手技を本人や家族に指導します。

CVポートを使用していても、高カロリー輸液でなければ「在宅中心静脈栄養法指導管理料」の算定が行えません。

 

CVポートの合併症

感染

抗生剤の投与で改善されない場合、ポートを抜去します。CVポートが必要な場合は、反対側など別の場所に再度留置する必要があります。

カテーテル閉塞

血液の逆流などによりカテーテルが閉塞した場合、そのポートは使用できなくなります。

薬剤漏出

ポートへの穿刺深度が不十分だと薬剤がカテーテル内に注入されず、ポート部や周囲他組織に漏れ出てしまうことがあります。特に、薬剤が抗がん剤であった場合は一大事です。針はポート部にコツンと当たるまでしっかり穿刺し、逆血確認を行う必要があります。(注:逆止弁タイプは逆血確認不可)

ポートがひっくり返る

ポートを収納する皮下ポケットが大きかったり、固定されていなかったりするとポケット内でポートがひっくり返る(裏返る)ことがあります。この場合、穿刺はできません。

 

CVポートに関するQ&A

最後に、CVポートに関するよくある疑問をまとめました。

CVポートは造設手術の後いつから使える?

基本的には主治医の指示によりますが、翌日から使用する事ができます。術後まもなくて創部がまだ安定していない場合は特に感染に注意して使用する必要があります。

 

CVポートから造影CTはできるのか?

造影CTに対応したCVポートはあります。その際は、耐圧の穿刺針(おそらくメーカー別売り)を使用する必要があります。患者さんに入っているポートが造影CTに対応しているか、確認してみてください。

 

CVポートが入っていてもMRIは撮れる?

MRI対応のCVポートはあります。患者さんに留置されているCVポートがMRIに対応しているものか、確認をしましょう。

 

CVポートが入っている方の上肢で血圧測定は行っても良い?

上腕静脈にCVポートが留置されている場合は血圧測定は禁忌です。カテーテルの中枢側を圧迫することでカテーテルが折れたり破損や断裂を起こす可能性があるからです。上腕静脈にCVポートが留置されている患者さんは、反対側の上肢や下肢で血圧測定を行ます。なお、鎖骨下静脈に留置されている場合は問題ありません。

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